2021/10/29(金)午前,旧鹿本鉄道廃線跡の 「植木」 駅~「旧長浦停車場跡」 を自転車で走りました(2.5km)。 |
JR九州,鹿児島本線の 「植木」 駅から分岐して県北の 「山鹿」 に至る全長 20.3km の軽便鉄道がかつて走っていました。「鹿本鉄道(かもとてつどう)」 といいます。会社の設立は大正4(1915)年。後に 「山鹿温泉鉄道(やまがおんせんてつどう)」 と改称。 大正から昭和初期にかけての世界経済恐慌期に地元有志連がやっとの思いで設立した弱小私鉄の例に漏れず,この鹿本鉄道も災害に強いインフラを用意することができず大雨や台風のたびに運休を強いられ,昭和32(1957)年の集中豪雨では「植木」~「長浦」間の勾配築堤がズタズタに崩壊,莫大な復旧費用を調達する目処も立たず,国鉄連絡路を絶たれた会社は全線運休を余儀なくされ(昭和35=1960年),やがて全線廃止となりました(昭和40=1965年)。 私が植木に引っ越してきた翌年のことです。そういう訳で私は走っているこの鉄道の列車や線路を見たり乗ったりしたことがありません。 残っている資料も散逸し往時を偲ぶ縁(よすが)もほぼ皆無!どうすりゃいいのさ思案橋。(笑) 幸い廃線跡の用地が 「熊本県道330号自転車線,愛称:ゆうかファミリーロード」 の植木~山鹿区間にそっくりそのまま転用され,現在では立派なサイクリングロードに整備されました(平成4=1992年開通)。 これから何回かに分けてこの自転車道を実際に走り皆さんにご紹介したいと思います。 |
まず第1回は鹿児島本線の「植木」駅から鹿本鉄道最初の駅「長浦停車場」までの区間。 論より証拠で地図をご覧下さい。 |
↑鹿児島本線「植木」駅前 → 鹿本鉄道「長浦停車場」跡 (2.5km) の地図がうまく表示されない場合はこのリンクをクリック |
この弱小私鉄のアキレス腱だった長大な勾配築堤が見所です。 線路は植木駅から東にしばらく鹿児島本線と併走し,その後左(北)に向きを変えながら築堤で谷を跨ぎ坂を上って植木町中心地域の接続駅である「長浦停車場」に進みます。 植木駅から高低差約40m上の植木中心集落のある台地に上るため,線路は長さ1.5km,勾配2.5%という鉄道にとってはかなりの急な坂を上り,台地の鞍部を「長浦トンネル」で通過していました。 このトンネルは鉄道の廃線後に埋め戻されたため,自転車道はこの区間だけ迂回路を新たに作ってトンネルの南北を結んでいます。 鉄道と同じく勾配に弱い自転車にとっても2.5%の上り坂はなかなかの難敵ですが,幸い勾配の傾きが途中で変わらず一貫した傾斜となっているのが救いです。またこの1年の間に舗装し直され良好な路面となりました。 トンネル北口を過ぎたあたりで自転車道は鉄道廃線跡に合流し,ほぼ平坦路となって最初の停車駅である 「長浦停車場」 跡に到着。 植木からの所要時間は約12分間,平均時速12キロの小旅行でした。 |
「鹿本鉄道」廃線跡自転車散歩1(植木~長浦 2.5km, 12'36") |
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