2021/11/01(月)午前,旧鹿本鉄道廃線跡の 「旧長浦停車場跡」~「旧山本橋停車場跡」 を自転車で走りました(3.7km)。 |
JR九州,鹿児島本線の 「植木」 駅から分岐して県北の 「山鹿」 に至る全長 20.3km の軽便鉄道がかつて走っていました。「鹿本鉄道(かもとてつどう)」 といいます。会社の設立は大正4(1915)年。後に 「山鹿温泉鉄道(やまがおんせんてつどう)」 と改称。 大正から昭和初期にかけての世界経済恐慌期に地元有志連がやっとの思いで設立した弱小私鉄の例に漏れず,この鹿本鉄道も災害に強いインフラを用意することができず大雨や台風のたびに運休を強いられ,昭和32(1957)年の集中豪雨では「植木」~「長浦」間の勾配築堤がズタズタに崩壊,莫大な復旧費用を調達する目処も立たず,国鉄連絡路を絶たれた会社は全線運休を余儀なくされ(昭和35=1960年),やがて全線廃止となりました(昭和40=1965年)。 私が植木に引っ越してきた翌年のことです。そういう訳で私は走っているこの鉄道の列車や線路を見たり乗ったりしたことがありません。 残っている資料も散逸し往時を偲ぶ縁(よすが)もほぼ皆無!どうすりゃいいのさ思案橋。(笑) 幸い廃線跡の用地が 「熊本県道330号自転車線,愛称:ゆうかファミリーロード」 の植木~山鹿区間にそっくりそのまま転用され,現在では立派なサイクリングロードに整備されました(平成4=1992年開通)。 これから何回かに分けてこの自転車道を実際に走り皆さんにご紹介したいと思います。 |
第2回となる今回は「長浦停車場」から1つ山鹿寄りの「山本橋停車場」までの区間。 論より証拠で地図をご覧下さい。 |
↑鹿本鉄道「長浦停車場」跡 → 「山本橋停車場」跡 (3.7km) の地図がうまく表示されない場合はこのリンクをクリック |
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長浦停車場跡にて ↑ この先,国道208号線の 「舞尾橋(もうのばし)」 を潜るとすぐに緩い下り坂が始まります。 「長浦停車場跡」 は標高87m,「山本橋停車場跡は58m,3.7kmで29mの下降なので0.8%の下り勾配となります。 山鹿行き列車のこの区間の所要時間は10分,植木行きは12分となっており,こんなに緩い坂道でもスイスイとは登れない蒸気機関車のツライ現実が垣間見えますね。 鹿本鉄道の廃線跡を組み込んだサイクリングロード 「ゆうかファミリーロード」 こと熊本県道330号線が一般公開されたのは今から30年近く前の平成4(1992)年のこと。 綾小路きみまろ流に言えば 「あれから三十年!」 となる歳月の流れは,路面荒れが自動車道に比べて圧倒的に少ないはずの自転車道であっても無視できないカタチとなって現れます。 幸いにも路面荒れの目立つ 「植木」 ~ 「長浦」 ~ 「山本橋(手前)」 の区間が今年,新たにアスファルト舗装し直されたので抜群に走りやすくなりました。 山本橋以北の区間についても路面の劣化状況を見極めながら舗装改良工事が行われるでしょう。 |
「鹿本鉄道」廃線跡自転車散歩2(長浦~山本橋 3.7km, 13'34") |
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13分ほど走って 「山本橋停車場跡」 に到着。 ↑ 山本橋停車場にて 山本橋停車場の駅舎跡は現在,ゆうかファミリーロードの駐輪場として整備され休憩所の東屋が設置されています。 植木から2駅区間で30分弱,ちょっと一休みしたくなる頃合いですね。 |
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