熊本市南区海路口町 干拓地自転車散歩



 2021/10/08(金) 熊本市南東部 (南区海路口町),江戸時代~昭和の干拓地を自転車で走りました。
熊本市南西部,一級河川の緑川が有明海に注ぐ辺りから北,熊本市西部の熊本新港の辺りまで南北 5km 強に及ぶ海岸線は江戸時代から昭和40年代にかけて進められた干拓の結果新たに誕生した海岸線です。今回の自転車散歩は JR 三角線 「緑川」 駅前から小さな鳥居で有名な 「粟島 (あわしま) 神社」 を経て干拓地の海岸堤防上を走る道路を北上,熊本新港入口で進路を東に転じ,熊本県道51号熊本港線を JR 鹿児島本線 「西熊本」 駅前に至る 23km の平坦路楽ちんライドです。 
 
↑干拓地自転車散歩 : 緑川駅前~粟島神社~海路口町~沖新町~西熊本駅前 (23.0km) 走行ルートが上手く表示されない時はここをクリック
 
コロナ禍でステイホームが長引き出不精 (デブ症) から久し振りの遠乗りなので本来なら軽々と走れるはずの平坦路もちょっと走るだけで息が上がります。 この日は雲が多く午前中のうちは気温も 20℃ 台という予報だったのですが,実際にはぐんぐん上がり気が付けば 30℃! 炎天下の長時間走行で年寄りの冷や水と嗤われぬよう飲み水を少しずつ補給しながら無理のないペースでゆっくり走ります。

スタートは JR 三角線 「緑川」 駅。 09h23 着の列車を降り,駅前で自転車を組み立ててライドを開始!

三角線の各駅停車列車は全てワンマン運行で,線内各駅は suica 非対応なので降車駅までの運賃を車内で精算します。 運転手さんの手を煩わせないよう降車駅までのきっぷを予め買ってから乗車するのがスマートです。

線路と平行して走る国道57号線を横断し北側 1km にある 粟島神社 (あわしまじんじゃ) をまず目指します。

天草方面に自転車を計画するなら,交通量の多いこの国道57号線 (宇土~三角) と道幅が狭く自動車の邪魔になる国道266号線 (三角~松島) の走行を避け,この区間は天草行快速バスあまくさ号での輪行がお薦めです!

神社南側からのアクセスは入口がちょっと分かり難いので順路を GoogleMap で時々確認しながら接近,ものの2~3分であっけなく到着。 
 JR三角線「緑川」駅09h23着
 
 粟島神社のミニ鳥居
粟島神社は安産に御利益のある神社でこの日も赤ちゃん連れのご夫婦が安産成就の報告で御祓いを受けていました。

左の写真のミニ鳥居を妊婦さんが無事に潜ることができれば安産間違いなし!ということで,昔は1つか2つしかなかったミニ鳥居が参拝客の増加を受けて現在では4つに増設されています。

このミニ鳥居,絶妙な大きさに造られていてお腹の大きな妊婦さんがギリギリ通り抜けられるようになっています。

雨の日でも濡れずに鳥居潜りが出来るよう大きなテントが張られているのは親切ですね。
 
平木橋を北進し一級河川の緑川を渡り緑川右岸を河口方向に西進。

ここは熊本市南区海路口町(うじぐちまち),干拓地に田畑が広がる農業地域です。

緑川河口まであと 1km という所で北側から二級河川の天明新川が合流します。

一級河川は国交省(国)の管轄なので河川堤防工事もそつなく行われますが,それに対して二級河川は県の管轄となり河川管理予算もグッと少なくなるので,この日のように大潮の満潮時には水位がところどころで堤防を越えることがあります (越水の発生した天明新川も一級河川でした)。

なんといっても干拓地の地面はかつての海底と同じ高さですから。 
 大潮の日の満潮はヒヤヒヤ
 
 堤防道路
海岸の干拓地潮受け堤防の上には道路が通っているのですが,干拓地を流れる水路河口部に設けられた水門の補強工事で通行止め箇所がありその都度迂回を余儀なくされます。

週明けには稲刈りを迎えそうな干拓地の水田は既に給水が止められ土も乾きかけています。

かつての海底だった干拓地は土壌の塩分を抜くまで稲作はお預け。時代が変わりコメ余りの世となると付加価値の高い園芸作物への作付転換が進んでいます。

南北に走る干拓地潮受け堤防奥に見えるのはカルデラ構造の金峰山 (665m),休火山なのでいつの日か噴火するかも。
 
一昨年の天草上島一周でも 倉岳大えびす を訪ねましたが大漁を司るえびす様は漁師の守り神!漁港には大漁を願い感謝するためにえびす像が建立されます。ここは熊本市西区沖新町の 「四番漁港」 に祀られたえびす像。

大自然相手の漁業はどんなに科学が進歩しても運任せの側面がありますから人事を尽くし最後は神頼みとなるのはよく判ります。

北海道では昨今赤潮被害が甚大でウニが捕れなくなっているようですが,明日は我が身というのが全国の漁師さんたちの正直な思いでしょう。

大規模な干拓で有名な国といえばオランダですが,ネーデルラント (【蘭】 Nederland) は 「低い土地」 を表すそうです。 日本との違いは緯度が高く寒冷な気候なので稲作ではなく畑作であること。 最近の日本でもコメ余りからビニールハウスで花卉やトマトをはじめ高付加価値農作物栽培に転換が進んでいます。
 四番漁協のえびす像
 
 大潮・満潮時の四番漁港
熊本市南区畠口町の四番漁港にて撮影。大潮の満潮時とあって水位が結構高くなっています。あと 50cm 上がれば間違いなく溢れますねぇ。

このような堤防の開口部にはもれなく防潮扉が設置されているので満潮時には防潮扉を閉めて越水を防ぎますが,撮影した時は最高潮位を少し過ぎた時間帯だったので漁船にアクセスするために扉が開けられたばかりだったと思われます。 自転車のハンドルの高さが約 100cm です。

この辺りではアサリや海苔の養殖漁業が盛んです。
 
熊本県道51号熊本港線の下を潜り抜けると直に干拓地の北西端です。 これまで堤防上の道路を北進してきましたがここで進路を東に転じ県道51号に合流して 7km 先の JR 鹿児島本線 「西熊本」 駅を目指します。 どんな街でも大なり小なりの起伏がありますが,ここは正真正銘の平坦地! ペダルを漕ぐのにほとんど力が要りません。 ちょっと調子が狂うな。 あっと言う間にアクアドーム (屋内プール) を過ぎ鼻歌交じりで西熊本駅前に到着,スタートから2時間半の 11h50。 熊本駅まで1駅という好立地ゆえか最近マンションが増えてきたようです。 うっすら汗をかいた程度なので着替えなしで乗車,12h10 発の上り列車で帰宅。 金曜の昼時なのに車内はかなりの混雑,中間試験でもあったのかな。 
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