阿蘇外輪山ライド (波野~大観望)

2020/10/13(火),阿蘇外輪山の波野~大観望,内牧に駆け下り阿蘇神社まで38kmの自転車旅行リポートです。 
前回の 「天草上島一周自転車行」 から早や10ヶ月,コロナ禍で旅行の選択肢は狭まり,ぼやぼやしているうちに猛暑の夏がやって来ます。 なんとか夏を乗り切りようやく旅に出る気力を取り戻した秋,かねてから考えていた阿蘇外輪山の尾根伝いに自転車で走る日帰り旅行に出掛けました。
2016年春の熊本地震以来通行止めとなっていた国道57号線の立野越え区間が先ごろ 10/03(土) に復旧,またそれより一足先の 8/08(土) に復旧したJR豊肥線の立野越え区間と並んで阿蘇観光を後押しする大きな材料となることでしょう。 自宅~阿蘇の往復は今回新たに建設された国道57号線北復旧ルートを利用,車に自転車を積み込んで往復します。対面通行ながらトンネル内までコンクリート隔壁の中央分離帯でキッチリ仕切られた道路は制限速度 70km/h の自動車専用道路で安全を確保した上で移動時間を短縮,震災前と比べても20~30分早く移動可能となりました。
阿蘇神社前の阿蘇市営駐車場に車を預け,自転車を組み立てて 2km 南の豊肥線 「宮地」 駅に向かいます。 阿蘇神社をはじめ人々の居住する阿蘇カルデラ内部から外輪山を上り尾根に辿り着くには幾つかのルートがありますが,そのいずれもが標高差 250m~400m の急坂を伴い,交通量の割に道幅が狭く自転車での登坂は危険と判断,列車で1駅だけ輪行し外輪山上の 「波野」 駅から本日のライドをスタートすることにした次第。
それでは行程をご紹介。
 阿蘇外輪山尾根のうち、波野駅前~エルパティオ牧場 (やまなみハイウェー入口)~大観望の 22km を走り
 そこから国道212号を一気に駆け下り (標高差 377m, 距離 7km),
 内牧温泉入口から黒川に沿って県道110号を 8km 東進,
 阿蘇神社前のゴールを目指す全長 38km のライド,100分での走破を目指します
↑波野駅前~エルパティオ牧場~大観望~内牧温泉入口~阿蘇神社前 (37km) の地図がうまく表示されない場合はこのリンクをクリック
11h06 宮地駅発豊後竹田行各駅停車で1駅東の波野駅まで輪行します,運賃は280円也。 たった1駅ながらその駅間距離はなんと 22km もあります。 勾配に弱い鉄道ゆえ距離を稼いで勾配を緩やかにするため外輪山内側の急斜面をS字カーブを描いて登ります。 定刻に発車した列車は15分後の 11h21 波野駅に到着。 宮地から波野に行く列車は1日に5本だけしかなく,1本前は 7h06 発,1本後は 13h09 発となります。 駅前で自転車を組み立てているとJR職員の方が無人の波野駅に清掃のため立ち寄られたので暫し立ち話。 波野駅を利用する乗客は果たして1日に何人いるのやら?
同時刻に到着する反対方向列車からの降車客はなく,列車を見送った後の静寂の中で自転車を組み立て,11h35 駅前をスタート!
先ずは国道57号線のミルクロード東区間入口を目指します (57m UP, 26m down, 3.3km, 10分)。

ミルクロードといえば熊本地震以降,不通となった国道57号に代わって熊本~阿蘇~大分を結ぶ代替ルートとして利用された方も多いと思いますが,ここからエルパティオ牧場 (やまなみハイウェー) までの東側区間は (8.7km) 国道57号に比べて道路規格が2ランクほど劣り路面の舗装状態が芳しくありません。 私の自転車はタイヤが少し太いので (1.75 インチ幅) 乗り心地が多少悪くなる位でさほど問題はなかったのですが,滑らかな舗装道路を高速で走ることを想定した細身タイヤのロードバイクで走る場合は少し速度を落として走らないとリム打ちパンクのリスクがあるので要注意! 放牧されている牛を眺めながらのんびり走りましょう。 今回はこの区間 8.7km を 25分で走りました。 GoogleMap ではルートの細かいアップダウンが反映されませんが,実際には少し登っては少し下るというプロセスを何度も繰り返します。 というのも溶岩を四方に吹き出しそれが裾野に流れて形成された阿蘇外輪山の尾根伝いに走るミルクロードは放射状に流れ出た溶岩流の塊を乗り越えながら円周方向に進むからです。 幸いなことに交通量は少ないのでのんびり走っても他の車を邪魔することはありません。

ここでやまなみハイウェー (県道11号) を右折,ミルクロードの西側区間入口までの 1.5km は 14m UP,13m down,5分。

ミルクロード入口を大観望 (だいかんぼう) 方面に左折。 ここから大観望までが今回のルートの白眉。 左手に阿蘇五岳中央火口群を見やりながらミルクロード入口から 7.3km、最高標高地点 894m (154m UP, 28m down) を目指します。

その後 1km で左分岐,国道212号に合流し外輪山内側急斜面の標高差 377m を一気に駆け下り (6.8km) 内牧温泉入口を左折。

ここから黒川に沿って県道110号を東進 (遡上)。 最後の 8.2km を頑張って走ります。 波野駅前から105分で無事ゴールイン。
ライドの道中は10倍速に編集した動画 ↓ をご覧下さい。
↑動画がうまく再生されない場合はこのリンクをクリック!
動画の BGM はバッハのコラール 「来たれ異教徒の救い主 (BWV 659, 660 & 661)」。
この日は平日にもかかわらず,国道57号やJR豊肥線の復旧で阿蘇路が身近になり,折からの GoToトラベル キャンペーンによる旅行需要喚起と相俟って,観光スポットはどこも観光客の人並みを震災後はじめて見ました! ミルクロード西側区間をはじめ道路も普段よりもたくさんの車やバイクを見かけましたが自転車は殆どいなかったなぁ。外輪山ライドはオススメなのに勿体ない。

阿蘇路の自転車旅行でひとつネックになるのは自宅~阿蘇の間,自分の自転車ををどのようにして自転車を運ぶかということでしょう。国道57号経由で熊本市~大分市を結ぶ特急バス「やまびこ号」は床下のトランク内に 「輪行袋に収納した折畳み自転車 (タテ・ヨコ・高さ合計 200cm 以内,折り畳み自転車限定)」 を載せて乗車 (バス輪行) することができます。 また鉄道は 「輪行袋に収納した自転車 (タテ・ヨコ・高さ合計 250cm 以内)」) を持ち込むことができます (列車輪行)。 輪行自転車のサイズがバスと鉄道では異なる点にご注意!バスが 「折畳み自転車」 に限定しているのに対して鉄道は 「分解してタテ・ヨコ・高さ合計 250cm 以内の輪行袋に収納可能な自転車であれば折畳み自転車以外も持ち込みOK」 となります。 バス・鉄道とも,大人数グループでの利用,乗客の多い時間帯の利用,同じく乗客の多い週末・休日の利用,これらは避けるのが賢明です。 お互いが気持ちよく相手を尊重し合える環境が調ってはじめて継続的な輪行サービスが成立するのです。苦情が増えれば現行の輪行サービスは中止されるかもしれないことを自転車乗りは肝に銘じておきましょう。
波野駅前を 11h35 にスタートしてから105分,13h10 阿蘇神社前の市営駐車場にゴールイン! 比較的高低差の少ないコースということもあって想定していた100分というスケジュールをほぼ守って走ることができました。 最高気温は外輪山上でも 25℃ まで上がりましたが湿度は低く,半袖シャツで露出した両腕こそ日焼けしたものの大汗をかくこともなく快適なライドで阿蘇の秋景色を堪能しました。

阿蘇駅前の 「道の駅あそ」 で昼食を摂ろうと帰りに寄ってみたのですが建屋に隣接した第1駐車場は既に満車!やむなく国道57号南側の第2駐車場に車を進めました。建屋へのアクセスは意外にも直ぐで,第2駐車場はオススメかも!観光客ひしめく状況で昼時を少し過ぎていたこともあって大したものは残っておらず,鬱…

その後コンビニに寄っておにぎりで遅い昼食。 今回のGoTo阿蘇,食はNGでした。
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