2020/11/11(水)午後,不知火海沿いの熊本県道254号を自転車で走りました(4.5km)。 | |
走り去る汽車を見送る目に涙 または 失策転じてタイムリーヒット |
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今年 2020年7月4日から5日にかけて熊本県南部と鹿児島県北部は大雨に見舞われ,特に熊本県南部は人吉地方と芦北地方が大きな被害を受けました。県内だけでも64名の死者を数える大災害です。 ダムによらない洪水対策を謳い川辺川ダム計画を中止した蒲島県政も (治水) ダム容認に方針転換する雲行き。はてどうなることやら… 九州新幹線開業と引き替えに平行在来線の鹿児島本線 : 八代~川内間は JR から切り離され第三セクター 「肥薩おれんじ鉄道」 となりましたが,今回の水害で同鉄道も大きな被害を被り,全線で復旧が完了したのは被災から4ヶ月が経った 11/01(日) のこと。 その頃新たな自転車旅の計画を模索,GoogleMap の StreetView で良さそうな道を探していると,同鉄道が不知火海沿いを走る上田浦~肥後二見間に人の手があまり加えられていない海岸線に沿って走る道を発見 : 県道254線。 StreetView の撮影チームもこんな生活道路まで網羅するとは恐れ入ります。 11月というのにまるで夏のようなこの日の午後,11/11(水) 思い立って JR と復旧したばかりの肥薩おれんじ鉄道を乗り継いで輪行で走りに行きました。 |
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それでは行程をご紹介。 | |
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↑上田浦~肥後二見 (4.5km) の地図がうまく表示されない場合はこのリンクをクリック | |
冒頭に掲げた川柳について説明しましょう。 昨年 11/01(金) 島原・天草・長島縦断旅行からの帰り道,八代駅で肥薩おれんじ鉄道から JR 鹿児島本線に乗り継ぐ際,肥薩おれんじ鉄道列車が着いた0番ホームから JR 乗り継ぎ列車の出る3番ホームへの乗り換え (8分) で大変な思いをした記憶があり出来れば八代駅での乗り継ぎは避けたいところ,肥薩おれんじ鉄道で1日に数本だけ設定されている新八代乗り入れの列車を選び 「同一ホームで楽に乗り換えができる」 ものと一人悦に入っていたのですが… 昨年八代駅で乗り換えに難儀をしたのは重くて持ちにくい折り畳んだ袋入りの自転車を抱えて移動する距離 (180 + 15 + 30 = 225m) でした。 新八代乗り入れ列車はこの駅で折り返します。 鹿児島本線でここまで乗ってきた列車を降りたホームでそのまま待っていれば目的の肥薩おれんじ鉄道の列車が目の前にやって来るので重い荷物を抱えて歩く必要がない!これは使える!wktk 14h04 新八代折り返し列車が八代方面から熊本方面行2番ホームに入線するのを私は反対側の八代方面行1番ホームから眺めておりました。 折り返し発車時刻は 14h08。 「これからこちら側1番ホームに転線してくるんだな」 と眺めていると出発時刻の 14h08 となり,列車は1番線に転線することなく2番ホームから八代方面に出発していきました。 「エ”ッ…」 と言葉をなくし呆然と列車を見送る私は次の八代行列車が到着する 14h31 まで一人寂しく1番ホームで待つことに。 思い込みというのは斯様に困ったものです (笑)。 新八代駅で目的の列車が一般的な列車と異なり,通常とは違う反対ホームから出発することを駅の時刻表で確かめてさえいれば,ホーム間を移動する時間は十分あったのです。 ところが構造の単純な駅で変則的なホーム運用は 「通常やらない」 という生半可な知識があったばかりに基本中の基本である駅時刻表の確認という作業を省略した結果犯した失敗でした。 なお,熊本方面に向かう列車同士の乗り換えは同一ホームで可能です (新八代駅ホーム時刻表で確認済み)。 こうして以後のスケジュールが全て狂い,当初は上田浦着 14h40 で開始できたはずの自転車走行が 15h55 開始と1時間遅れ,帰りも肥後二見発 15h41,新八代駅同一ホーム乗換 (歩行移動ナシ) 16h02 / 16h08 という効率的な乗換が不可能となって,肥後二見発 16h36,八代駅ハード乗り換え (225m 歩行移動) 16h55 / 17h08 (乗換時間13分) と帰りも乗り継ぎで難儀をすることになってしまったのです。 しかしこの往路乗継失敗に起因する自転車走行開始の遅れが結果として成功をもたらすことになります。 今回の走行場所を見付ける際に利用した GoogleMap の StreetView 各画面には撮影年月は表示されますが 「時間までは表示されません」。 しかし同じ景色でも時間帯によって光線状態が変わると見え方が全然違ってくるのです。 今回は走行時間帯が1時間遅くなったことで陽光が 「午後の光」 よりも情緒ある 「夕方の赤味を帯びた斜光線」 となり,加えて路面にはペダルを漕ぐ自分の影法師が長く伸び,まるでもう一人の自分と対話しながら走っているような,太宰治なら 「特殊な気分」 とでも表現するであろう感興をおぼえることができたのです。 結果オーライ! それではこの日の走行動画をご覧下さい。 BGM はギルマンの 「祈り」,MIDI 入力 (演奏) は私です。 |
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StreetView 画面の撮影された 2013年11月以降に護岸工事が進んだため StreetView 画面で見るよりも現在は少しだけ波打ち際が遠のいてはいますが,干拓工事による海岸線変更が著しい不知火海沿岸にあってオリジナルの海岸線が残る貴重な海岸道路で,走行距離こそ 4.5km と短いものの充実したライドを楽しむことができました。 めでたし,めでたし! |
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