2020/10/26(月)午後,鹿児島県薩摩川内市西方の甑島を自転車で走りました(26.6km)。 | |
今年はじめ,まだコロナが暴れ出す前 「五島コンプリートが先か,それとも阿蘇ライドが先か?」 と暢気に考えていたのに…コロナの所為で年間計画がグチャグチャになってしまいました。 観光,特に離島は陸地に比べて非常時の医療体制が弱く万一来島した観光客がコロナ要因となって迷惑をかけるとマズイので,慎重の上にも慎重を期してコロナ第一波が沈静化する秋までは一歩を踏み出せませんでした。 | |
今年 2020年,08/29(土) 甑島列島の下甑島と中甑島を隔てる藺牟田瀬戸が 「甑大橋(1,533m)」 によって結ばれました。 陸地と離島を結ぶ橋に比べ離島~離島間の橋は交通量が圧倒的に少なく自転車で走るには打ってつけです。 甑島に行くには最大積載台数40台のフェリーが1日2便,一方島内の人口は橋で結ばれた上甑島・中甑島・下甑島を全部合わせても5千人足らず。 三密とは無縁の甑島の今だからこそ甑島に行く価値がある! と旅に出掛ける理由をこじつけ,週間天気予報で好天を見極めて1泊2日でGO! | |
それでは行程をご紹介。 | |
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↑鹿島港~甑大橋~コシキテラス~田之尻展望所~長目の浜展望所~里港 (26.6km) の地図がうまく表示されない場合はこのリンクをクリック | |
◆ 鹿島港~甑大橋~コシキテラス ◆ 13h35 下甑島北端 「鹿島港」 到着。 今年 8/29 まではこれより北に道はありませんでした。 出来たてほやほやの新しい道を走るのはいつもながらドキドキします。 新しい道路は甑大橋へのアプローチとして先ず新たに掘削された 「鹿島トンネル(457m)」 に突入。 トンネルを抜けるといきなり 「甑大橋(1,533m)」 が始まります。 南側約 500m 区間は緩やかな上り坂,北側約 1,000m 区間は緩やかな下り坂。 下甑島と中甑島とを隔てる藺牟田瀬戸への架橋が始まったのは 2011年,9年の歳月と230億円の予算をかけて完成。 九州本土から隔絶された離島間架橋工事で甑島列島の全人口合わせても5千人足らずという享益環境を考えると過分な施設かも?という懸念が一瞬頭をよぎりますが,どうか住民の皆さんの便益と観光資源として十分活用して頂きたいと思います。 4分ちょっとで通過 (↓動画参照)。 橋梁としての甑大橋にご興味のある方はこちらをご覧下さい。 甑大橋を渡り終えると対岸である中甑島南端断崖に口を開く次の 「黒浜トンネル(587m)」 に吸い込まれます。 道中全てのトンネルは照明完備で両側に一段高く歩道が整備されていますがガードレール仕切りはなく自転車で走るには幅が十分でないため前照灯・尾灯を点灯して路肩ライン上を慎重に走ります。 トンネル内照明は識別・被識別に支障のない十分な明るさがあるのと,交通量が少ないため特段の危険は感じませんでした。 約 400m の明かり区間を挟んで次の 「平良トンネル(1,674m)」。 ここから先の区間は 1994年に 「かのこ大橋」 と 「甑大明神橋」 で上甑島と結ばれています。 「小池隧道(452m)」 を抜けると 「かのこ大橋(240m)」 で無人の 「中島」 に渡り,次いで 「甑大明神橋(420m)」 で上甑島に渡ります。 右前方に中甑港の集落が見えてきました。 鹿島港から 10.5km,29分で走破。 |
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↑動画がうまく再生されない場合はこのリンクをクリック! 動画の BGM はバッハのコラール 「憐れみ給え神よ (BWV 721)」。 フランス南西部の中世城塞都市カルカッソンヌ大聖堂で録音。 |
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↑動画がうまく再生されない場合はこのリンクをクリック! 動画の BGM はバッハの 「ヨハネ受難曲 (BWV 245)」 より終曲 (No.40) コラール 「おお主よ,あなたの愛しき天使を遣わし給え」。カルカッソンヌ大聖堂で録音。 |
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ここで遅めのランチタイム! 中甑港ターミナル内の新しいカフェ 「コシキテラス」 で甑大橋開通を機に開発された新メニュー 「スペシャル断崖バーガー (1ドリンク付消費税込 1,200円)」 を頂きます。 上下バンズの間には下からレタス+フィッシュカツ+スライスチーズ+トマト+タルタルソース+黍魚子(きびなご)唐揚げが挟まっており,倒壊を防ぐため竹串で固定されています。 大好物のキビナゴとフィッシュカツの美味しいこと! フィッシュカツの原料は甑島特産のタカエビ剥き身と,定置網で捕れた白身雑魚のすり身。魚のすり身を脂で揚げたものはパン粉の衣を纏わせたものを 「フィッシュカツ」,素揚げにしたものを 「てんぷら(東日本ではサツマアゲ)」 と呼んでいますが,今回食べたのはそれら全ての中で一番の歯応えでした。 たぶん高級蒲鉾の原料として使われるエソやそれに類する魚が入っているものと思われます。 これはたしかに食べてみる価値があるゾ! | |
![]() 小魚は小骨が多く食べ慣れていない魚食初心者にとっては調理のハードルが高いのも事実。 雑多な魚種の身をすり身に加工するのが現実的な消費方法でしょうが,すり身を成形して衣を付け下準備した状態で販売したり,揚げたフィッシュカツを冷凍食品として販売したり,手軽に食べられるカタチで提供できるかどうかが販路開拓のカギとなります。 すり身加工で弾力を出すために添加される食塩が敬遠され消費量が伸び悩んでいると云われていますが,食塩以外で健康への懸念の無い添加剤は何かありませんかね? キビナゴやタカエビといった全国展開するには漁獲量の少ない漁業資源については,現地に出掛けて食べるしかありません。 けっして高級な食材ではありませんがとても美味しい海の幸です。 グルメ価値観の深化に期待したいところです。 昼食後の自転車ライドを控えていたのでお昼のビールは我慢しましたが,これでビールを飲めば理想ですな!(笑) コシキテラスは水曜日がお休み,それ以外の日は朝 9h30 ~ 15h00 の営業,夕食は残念ながらナシ。 |
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◆ コシキテラス~田之尻展望所~長目の浜展望所~里港 ◆ 昼食後は上甑島北岸に広がるトンボロの奇景を見に行きます。 「トンボロ」 とは波が浅瀬に砂を運んで作った砂州景観で 「天橋立」 や 「江ノ島」、フランスの 「モンサンミッシェル」 などがよく知られています。 ここ上甑島北部の海岸には北海道のサロマ湖のように海岸線に沿って細長い池 (ラグーン) が幾つも連なっています。 昔は内陸側の岸辺が海岸線だったものが,波の運ぶ砂が沖合に溜まり遂には池と海を分かつ砂州となった,そんな成立過程のある風景です。 西から東に向かって 「海鼠池(なまこいけ)」、「貝池」、「鍬崎池(くわさきいけ)」 と3つのラグーン湖が並びます。 先ずはコシキテラスから県道348号で海鼠池を一望する 「田之尻展望所」 を目指します(5.9km)。 途中1つトンネルを潜りますが (小島トンネル, 800m) 通学路ということもあってガードレールで仕切られた幅広の歩道が片側に設けられています。後半 2.5km は緩い上り坂で標高 57m の田之尻展望所に到着。 暫し休憩の後,ラグーン湖群を反対の東側から俯瞰すべく 5.8km 東の「長目の浜展望所」 へ移動,ちょい上り坂で標高 87m の長目の浜展望所に到着。 ↓手前から鍬崎池,貝池,海鼠池。 |
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私が長目の浜展望所に滞在した15分の間に見かけた観光客は2人だけ。 途中ですれ違った車が2台,追い越していったバイクが2台。 三密とは全く無縁の健全な観光です。 長目の浜展望所を後に宿のある島一番の 「里(さと)」 集落へGO! 南西諸島にも似た防風石垣壁と低い瓦屋根の連なる街並みを抜け,里港に隣接するホテルにはチェックイン予定時刻の 16h00 ちょうどに到着。 塩湯の温泉(沸かし湯)で汗を流し,日が暮れてから隣のレストランで軽い夕食を摂り,夜7時過ぎには床に就きました。爆睡! | |
![]() 港の沖に漁り火が見えます。 漁師さん達の朝は早い。 6h37AM,九州本土 (薩摩仙台市) から昇る朝日を拝み洗顔と歯磨き。 朝食後,9h30 目の前の里港発フェリーで車を駐めている串木野新港に戻ります。10h45 着。 自転車を折畳んで車に積み,昼食を摂る食堂へ。 串木野はマグロ遠洋漁業の基地なのでマグロ水産会社がいくつもあるのですが,昼食を摂るのはその一つが経営する食堂 「松榮丸」。 |
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![]() 現在2区間が未完成の南九州西回り自動車道がつながる日が待ち遠しいゾ! 串木野から熊本市北区の自宅まで3時間ほどで到着しました。 高速道路の有料区間は 八代南 I.C.~北熊本スマート I.C. (普通車平日片道 1,990円) でした。 |
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